皆さんこんにちは。急転直下で気温が変化しつつある現在、いかがお過ごしでしょうか。
このところ、日中は暑く朝夜は寒いと絶妙な塩梅で体調を崩してしまわないか心配です。
さて、先週の話ではありますが、ヨカマチフクオカ2024に会社の皆様と参加しました。秋の夜みんなで涼みながら飲むビールは最高でした。
優美な竹灯籠に囲まれてながらまどろむ余韻…少しだけ、旅情と秋の寂しさを彷彿させるようなイベントでした。
人口に膾炙した秋の詩ですが、張継の七言絶句「楓橋夜泊」を感じる風景が広がっていました。
楓端夜泊 長継
月落烏啼霜満天
月落ち烏(からす)啼いて霜天に満つ、
江楓漁火対愁眠
江楓(こうふう)漁火(ぎょか)愁眠(しゅうみん)に対す。
姑蘇城外寒山寺
姑蘇(こそ)城外寒山寺、
夜半鐘声到客船
夜半(やはん)の鐘声(しょうせい)客船(かくせん)に到る。
月は沈んであたりは闇につつまれ、カラスが鳴いて霜が降り注ぎそうな空
川岸の楓と漁火が船の外で輝いているが、私は旅の途中の船の中で寝付けなくて過ごしている。
姑蘇(こそ)城の郊外にある寒山寺から
夜中を告げる鐘の音が船で寝ている私のところまで響き伝わる。
この詩は秋の実りと灯火に比べ、寒さとわびしさに震えている作者の心情を詠んだ詩です。
秋は春の朗らかさと夏の灼熱を乗り越え、豊かに作物が実る輝きの季節ですが、同時に冬の来訪が近づき、枯れていく草花との別離と寒風吹き荒れる哀愁そのもののような季節の前触れでもあります。
ところ変わって、家の近くの田園風景…。
何もない長閑なところに、美しくも儚く彼岸花が紅白にコントラストを描いています。
お米も次第に黄金に輝きを増し、私たちに実りをもたらすでしょう。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
藤原敏行
村雨の露もまだひぬ真木の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮れ
寂蓮法師
紅葉の季節にはまだ少し先ですが、着実に秋は深まりつつあるのだとしみじみと実感しました。